プラハ
東欧の国、チェコ共和国の首都プラハは、その美しい街全体が世界遺産として登録されています。神聖ローマ帝国統治時代に建築されたカレル橋や、約600年もの歳月をかけて完成された聖ヴィート大聖堂などの有名な建築物をはじめとし、様々な時代の建物が立ち並ぶそのすがたは「街そのものが建築博物館」としても呼ばれるほどです。
チェコの公用語はチェコ語です。プラハは観光地ということもあり、中心地のレストランやカフェ、大きなショッピングモールなどでは英語が通じます。ただし、観光ガイドなどに掲載されていないようなローカルなお店や、地元の人が愛用するスーパーなどでは英語が通じない可能性が高いです。また、交通機関のアナウンス、道路の標識などはチェコ語で書かれています。
プラハで長期滞在するためにはある程度のチェコ語がないと少し不便さを感じるかもしれませんが、短期滞在の分には英語だけでも問題なく過ごせるでしょう。
交通機関
プラハ市内の移動手段として、地下鉄・トラムが最も多く利用されています。チケットは、プラハ市内交通局が運行する地下鉄・トラム・バスすべて共通で使うことができるので、一枚の切符で目的地まで向かうことができます。また、乗り継ぎ回数や移動距離に関係なく、料金はすべて一律となっています。
チケット料金は有効期限ごとに異なります(1CZK=4.84円)。
- 有効期限30分…24CZK(=116円)
- 有効期限90分…32CZK(=155円)
- 24時間チケット…110CZK(=533円)
- 72時間チケット…310CZK(=1501円)
チケットは、自動券売機をはじめ、キオスクや窓口で購入ができます。バスやトラムの停留所には券売機がないこともあるので注意してください。また、カードや紙幣が利用できない券売機もあるので、コインをいくつか持っておく必要があります。公式サイト上でチケットの購入場所や対応の支払い方法が検索できるので、併せて参考にしてみてください。
また、PID Lítačkaというアプリでは、チケットの購入の他にも、最短・最安値のルートを検索することが出来るほか、目的地までのナビ機能や有効期限のアナウンス、遅延や事故などに関する情報を得ることができます。
それでは各交通機関について詳しく見ていきましょう。
①地下鉄
プラハの地下鉄は緑のAライン、黄色のBライン、赤のCラインの3路線が運行しており、全部で61駅あります。市内中心部で三角に交わるようになっており、
- Můstek(赤ー緑)
- Muzeum(黄ー緑)
- Florenc(黄ー赤)
の、3駅でそれぞれの路線へ乗り換えることができます。
プラハの地下鉄には、ホームへ向かう前に打刻機が設置してある改札があります。初乗りの場合は、黄色の打刻機にチケットを差し込みます。あとは日本の地下鉄と同様に、行先を確認して電車に乗ります。
検査官がチェックをすることがあるのですが、打刻を忘れや期限切れのチケットを所持していた場合、最大で1500CZKの罰金を支払うことになるので注意しましょう。
②トラム

トラムは目的地の目の前まで行けるだけではなく、車窓からの街並みを楽しむことができます。トラム初乗りの場合は、乗車後に車内の打刻機でチケットに時間を打刻することを忘れずに。
メトロとトラムの路線図はこちらからダウンロードできます。
③バス
排気ガスの多いバスは、環境保護の観点から市内中心部ではバスの走行がなく、主に郊外や空港間での移動の際に利用されます。また、24時間営業で、メトロやトラムが運行していない12時から4時半まで、深夜バスとして走行しています。地下鉄と接続できるバス停には「=M=」というマークがあります。
ほかの交通機関と同様、初乗りの際には車内の打刻機での打刻を忘れないようにしましょう。
④そのほか
プラハから郊外の都市への移動では、
が便利です。特にRegiojetはサービスもよく、目的地までも安価で移動することができるのでお勧めです。
医療制度
①保険について
チェコでは、公的・民間にかかわらず、国民全員が医療保険に加入する義務があります。これは、外国人も例外ではなく、チェコに入国するすべての外国人は滞在期間中に有効な海外旅行保険に加入している必要があります。
また、チェコに3か月以上滞在する場合は、チェコで有効な健康保険に加入しなければなりません。留学の場合は民間の健康保険に加入することになります。
ほとんどの私立病院では、英語を話すスタッフが在中していますが、一部の私立病院とほぼすべての公立病院では英語が通じるところが限られていたり、病院の案内や書類はチェコ語のみの記載となっていることろが多いです。そのため、病気やけがの際には、チェコ語が出来る方や通訳と同行するほうが良いといえます。
②病気になったら
健康保険に加入している際は、一般的に診察代は無料で、薬代も安価です。基本的には予約診療となっていますが、緊急の場合には予約なしでも診療してもらえることもあります。ウェブサイト上から予約が可能となっている病院もあります。
プラハで病気になった際には、まず自宅近くのかかりつけ医に行き、専門治療の必要がある場合は医師の紹介の下で大きな病院で治療を受ける、という流れが一般的です。かかりつけ医を通さずに、大きな病院へ直接行くことも可能ですが、待ち時間が長くなってしまうかもしれません。診療が終わった後は、処方箋を受け取り、Lékárna(薬局、レーカールナ)で薬を購入します。緑の十字架が目印です。
③日本語対応可能な病院
住所:Na Dlouhém lánu 563/11 Prague 6, 160 00
電話番号:+420-235-356-553
診療科目:総合病院
生活費
チェコの物価は他のヨーロッパ諸国と比較すると安いといえます。しかしながら、プラハの家賃相場は年々上昇しており、物件を探すのにも一苦労ともいわれています。
大学留学の場合は、多くの場合は大学の学生寮に住むことになるため、かなり安くなります。家具付き、二人部屋の場合でも月に2万円ほどが相場といわれています。
しかしながら、語学学校やワーキングホリデーでの滞在の場合はやや値が張ります。立地や部屋の大きさによっても異なりますが、個室つきで、2~3人共同フラットに滞在する場合、月の家賃は大体3.5~4万円ほどが相場といわれています。こうしたタイプのフラットは、FBやウェブサイト上で探すことができます。また、近年ではAirbnbなどで長期滞在を受け入れているホストも多いです。
食費に関しては、外食は日本よりも高くつくともいわれています。しかし、スーパーで購入できる商品はとても安く、自炊をすれば月の食費は1万円~1.5万円程度まで抑えることができるでしょう。
- 牛乳1L…20.94CZK(101円)
- 卵12個…44.93CZK (217円)
- 鶏肉1kg…156.89CZK(760円)
- 牛肉1kg…237.77CZK(1,151円)
- りんご1kg…35.16CZK(170円)
- 玉ねぎ1kg…33.42CZK(162円)
- トマト1kg…54.82CZK(266円)
- 水1.5L… 15.21CZK (74円)
(参考:NUMBEO)
これらに加え、保険代・交通費・通信費・交際費などを考慮しても大体7~8万円ほどで不自由のない暮らしができるかと考えられます。
学校
プラハでの留学は、チェコ語習得のための語学留学の他に、学士習得のための大学・大学院留学を目的としていく人もいます。
プラハの語学学校の費用の目安として、1か月間のインテンシブコースで10900CZK(=5万3千円)ほどと、他の国での語学学校に比べても比較的安いといえるでしょう。
また、チェコの国立大学は、チェコ語のプログラムのみ学費は無償です。しかし、入学のための試験はチェコ語になるため、日本人にとってはハードルが高いとも言えます。一方、英語だけで受験できるプログラムもありますが、年間で30万~50万円程度の学費がかかります(専攻によって異なります)。私立大学の場合はさらに高く、年間70~100万円程度が相場といわれています。
観光とレジャー
①カレル橋




モルダウ川に架かるこのカレル橋は、神聖ローマ皇帝カール4世の統治下で建設が始まり、1402年に完成しました。全長は約500メートルで、プラハ西部にあるプラハ城と市内中心部を結ぶ役割を果たしています。橋の装飾はさることながら、橋の上からの都市の眺めもとても美しく、毎日多くの観光客でにぎわっています。
②プラハ城




かつて神聖ローマ帝国の居城であった神聖ローマ帝国は、プラハ市内の西部にあるフラチャヌィの丘にそびえています。世界最古の城ともいわれており、現在はチェコ共和国の大統領府が置かれています。




プラハ城の敷地に存在する聖ヴィート大聖堂は、ゴシック建築の代表例でもあります。




また、内部には独特の絵画タッチで知られる有名画家、アルフォンス・ミュシャ手がけたものをはじめ、美しいステンドグラスに圧倒されてしまうでしょう。